日々進化しつづける、デザインの世界。独特な手法と技術を備えた作家たちの作品に対する熱い思いをご紹介いたします。

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伊藤 信親

AWAKEとは

欲しいものを探していろんな店をたずねる……

目当ての品が見つかる店はいい店だ
目当ての品が売っていて、なおかつ他にもいいものが売られている店は相当にいい店だ
では、欲しいものが無いまま訪れるても何かを得られる店があったら……
それは最高の店ではないだろうか

革はむずかしい。
木のようなぬくもり、麻のような心地よさ、鉄のような頑丈さ、絹のような滑らかさ、琥珀のような美しさ……。数多くの抽き出しをもつが、作り手が扱い方をあやまれば、もはや革は「素材」にすらなってくれない。本来の能力を引き出されなかった革は、使い手にも愛されず、やがて朽ちていく。
だが、持てる能力を最大限に引き出された革は、最高の「素材」になる。革を愛する作り手が、一つ一つ吟味し、最高の技術をおしみなく注ぎ込んだとき、革は「モノ」として使い手と歴史を刻む存在になっていく。
そんな革たちが並ぶ店なら、たとえ、ただふらっと立ち寄るだけで得られるものがある。それは間違いなく最高の店だ。日本有数の革アルチザン達の作品が並ぶ、いわばミュージアムのような場所。そして訪れてくれる人達が、革のもつ何かに目覚める場所――

――それがAWAKEだ

(text /Jump Kato)

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